こんにちは。今回のテーマは、「心の声を聴くことでうつ病を防ぐ」です。
新型コロナウイルスにより世の中や社会情勢は大きく変化しました。その中で「コロナうつ」という言葉もよく聞こえてくるようになりました。
製薬会社ファイザーのデータには、このようなうつに関するデータも出ています。
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/documents/20200316.pdf
- うつ病の推定人数は500万人(日本人の15人に1人は生涯 に1度うつ病を経験)
- 自殺の原因の2割は、うつ病などの気分障害が原因
- うつ病患者さんの5人に3 人は医療機関を受診していないという実態あり
近年では厚生労働省が取り組むべき課題として挙げている「5大疾病」では、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に加え、精神疾患を挙げています。これほど国としては喫緊の課題として捉えていると言えます。
誰でもいつでもなる可能性のあるうつ病ですが、昔はよく「心が弱いからうつ病になるんだ」という意見もありました。
しかし、答えは「No」です。むしろ、これまで自分に無理をして忍耐強くしてきた、我慢してもさらに我慢を重ねてきたからこそ、うつ病になる、そういう方が実際は多いです。そのため「精神力の強い人こそ、リスクが高い」と言えます。
ではどのようにうつ病を予防したり、対策をしたりしていけば良いのでしょうか。
うつ病とは?
厚生労働省の知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス総合サイトでは以下のように説明されています。
うつ病は、気分障害の一つです。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。気分障害には、うつ病の他に、うつ病との鑑別が必要な双極性障害(躁うつ病)などがあります。
うつ病の場合、自分で症状を自覚できるとは限りません。自分の心や体の変化に気づけず、知らないうちに無理をしてしまっているケースも多いです。
うつ病は適切な治療をすると改善に向かう病気です。少し様子がおかしいなと感じるときは、専門医に相談することが望ましいです。
では自分で症状に気づけない場合、どうしたら良いのでしょうか。その場合は周りの方に気づいてもらう必要があります。また、普段から自分の心や体と向き合い、変化を感じ取るセンサーを立てておく必要もあるでしょう。
ではそのセンサーの感度を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。
うつ病はときに体の症状として現れる
実はうつ病の症状は心の症状として現れるとは限りません。体と心はつながっています。一見関係がないような体の症状でも、実は心のSOSかもしれません。このような症状に心当たりありませんか?
- 胸の痛み
- 過呼吸発作
- 手の震え
- 声が出ない
- 吐き気
- 食欲の減退
- 冷や汗
- めまい
- 頭痛
- 胃痛
- 胃潰瘍
- 下腹部痛
- 動悸
- 眼痛
- 肩こり
- 腰痛
人によって現れる症状は実に千差万別です。様々な症状を出して心は体を通してSOSを出しています。しかし、普段からこのような体の症状に悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
覚えておいていただきたいこととして、このようなサインは体ではなく心のサインの場合が多いということです。そしてこのような症状が現れたときには「これは何のサインなのだろう?」と問いかけることが大切です。一旦立ち止まって考えたり、心の声を聞いたりすることが大切です。
心の声を聴くために遮っているもの
ここでは体と心、そして頭について説明をします。そうすることで自然と心の声を聴くのを遮っているものがわかるかと思います。
普段あなたの頭の中にこのような声が巡っていることはありませんか?
- 「明日までの資料、今日作成して上司に提出しなきゃ。」
- 「昼間にスイーツを食べたから、今食べると太るに違いない。やめておこう。」
- 「夜中の12時を過ぎたから、寝る時間だ。もう寝る方が体にも良い。」
これらの声は心の発する声ではありません。これは頭から発せられている言葉と言われています。
では頭はどのような役割をして、どのような声を私たちに投げかけているのでしょうか。
- 主に理性の場であり、コンピュータのような働きをする。
ここでは記憶、計算、比較、分析、推測、論理思考などの作業が行われています。 - 頭はよくmustやshouldという言い方をするのが特徴です。
「〜すべきだ」「〜してはいけない」「〜ねばならない」などです。 - 頭は、過去や未来を取り扱うことを得意としています。
私たちの多くは普段の日常生活の中で理性によってコントロールされています。それ自体は悪くなくむしろ人として必要とされる部分です。
ただし、頭に多くを乗っ取られすぎると、心の声を聴くセンサーが鈍ってきます。そして結果的にどんどん知らない内に無理をしてしまい、心と体のバランスを崩していくのです。
心の声を聴くためには
では心の声を聴くためにはどうしたら良いのでしょうか。心の働きについてご説明します。
- 感情、欲求、感覚、直観が生み出される場です。
- 心はもっぱら「現在」に焦点をあてて「いま・ここ」が得意です。
- 心が使用する言葉はwant toやlikeといった言葉で「〜したい」「〜したくない」「好き」「嫌い」などです。
ではどうすれば心の声に敏感になれるのでしょうか。まずはこの頭と心の構造や仕組みの違いを理解することが大切です。そして、心の声である「〜したい」「〜したくない」という声を聴くことが重要です。
日々の心の声を敏感にキャッチして満たすこと、過去や未来ではなく「いま・ここ」を感じられる瞬間を増やすこと、これら2つがうつ病を防ぐのみならず、日々自分らしく伸び伸びと生きられるようになります。
いかがでしたか。「心の声を聴くことでうつ病を防ぐ」について今回はご紹介しました。
今回ご紹介した「うつ病を予防する方法」が、すべての物事にあてはまるわけではありません。体や心の症状によっては適切な医療機関やカウンセリングなどが必要な場合もあるため、その場合は専門の医療機関にご相談ください。
より豊かな人生を歩むために少しでもお役に立てれば嬉しいです。